同治と対治
今の私を形成しているものの考え方の一つに
「同治と対治」というのがあります。
私が中学生の頃に読んだ、五木寛之氏の自力と他力という本の中に、紹介されている仏教用語です。
例えば熱を出した時、氷水で冷やして熱を下げようとするのが対治。
体を温めて、熱を上げて、汗をかかせることで熱を下げようとするのが同治。
不安や悲しみで、動けない人に対して、そんなことじゃいけないよ。頑張って立ち上がろうよ!と立ち直らせようとするのが対治。
その人の気持ちに寄り添い、一緒に泣いてあげることで、心の負荷を少しでも引き受けようとするのが同治。
私たちは、悪しきものと戦うことばかり教えこまれてきたのではないでしょうか。
結果、自分の中や人の中に醜い部分ばかり発見するようになり、それを排除しようとすることばかりしているように思います。
そうした対治的な生き方よりも、
良いものも悪いと思えるようなものも、愛すべき自分の一部と自覚し、受け入れ受け止めるような同治的な生き方ができたらいいなぁと、思っています。
鍼灸治療においても、その人の悪い部分を取り除くのではなく、バラバラになって動きづらくなってしまったパーツを、再構築し、全体で一つのものとして感じれるようになるのをイメージして治療させていただいてます(*^_^*)
悪いところを見つけて、治していく、ということだけをしていくと全体性を感じられない体になってしまいます。
今の自分の状態を認め、組みなおし、本来の在り方に戻っていくということが、現代人には必要なんじゃないかなぁと思います🤗