受け入れるということ(病気との付き合い方)
病気との付き合い方を考える時、私はある友人のことを思い出す。
その子は、常にある幻覚、幻聴と戦っていた。
その幻覚とは自分の中に、人肉を欲する魔物が住んでいるというものだった。
自分の中の魔物が人肉を欲して、彼女の友人を傷つけないために、自傷し、生肉を食べて自分の中の魔物を慰めていた。
家の押入れの中から大量の人骨が溢れ出し、外を歩けばまるで地獄絵図のように魔物に襲われた血だらけの人間だらけが見えたという。
薬を飲んでなんとか幻覚を抑えようと思っても、どうにも抑えきれなかった。
生き地獄のような世を生きてきた彼女だが、ある気づきがきっかけで幻覚が見えなくなったという。
それは、今まで自分の中にいる魔物が外へ出て暴れ出さないように、魔物と戦う度に、自分を痛めつけてきた訳だが、
ふと、この魔物は私自身じゃないのか、とその魔物を自分自身として認め、受け入れたという。そうするとその魔物はスーっと小さくなって消えてしまったそうだ。
自分VS魔物
が
自分=魔物
となり同化して悪さをしなくなったという話。
この話を聞いたのはもう20年以上も前ですが、今も私の脳裏に焼き付いています。
病気をして、その症状を取り除こうと躍起になっても、また別の症状となって現れることがあります。何か自分にとって不快な症状を発しているとはいえ、元は自分自身の細胞なのです。
それと戦おうとするのではなく、自分自身の細胞が一体どんなメッセージを発しているのか、受け入れ耳を傾けることこそ、根本治癒につながると思っています。